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2016.10.8

国産生ハムの軌跡。日本一の生ハムは、秋田の森にありました。

国産生ハムの軌跡。日本一の生ハムは、秋田の森にありました。

30年前の出逢いが男の人生を変えた

扉を開けると、ふわりと漂うチーズのような香り。天井からずらりと吊り下がる豚肉は、圧巻の一言だ。

秋田有数の温泉郷・乳頭温泉。その近くに、最高の生ハムを生み出すべく、心血を注ぐ男性がいる。赤坂のスペイン料理店『セルベリア グランビア』オーナーであり、生ハムの工房を営む金子裕二さんだ。

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金子さんが生ハムに出逢ったのは、約30年前のこと。スペインを旅した時にハモン・セラーノを口にし、“世の中にこれほど旨いものがあるのか”と衝撃を受ける。まだ輸入が禁止されており、日本ではその存在さえも知られていない時代のことである。それでも金子さんは生ハム作りに挑み始める。「最初の10年はモノにならなかった」と振り返るほど、暗中模索、手探りの状態が続いた。20年前から、やっと合格点を出せる生ハムが作れるように。店でもメニューに加えたところ、大評判になったのだという。

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全国の料理人も買い付けに訪れる

生ハムの仕込みが行われるのは11月下旬から3月下旬にかけて。現在は秋田県産の三元豚を使用、年間約1200本の原木を作っている。まずは豚の血抜き、塩漬け、水抜きを行い、熟成へ。熟成庫の中では気温15~20℃、湿度60~70℃が保たれる。ここで16~18ヵ月、あるいは30ヵ月以上熟成。肉の脂がじわりと溶け出し、それが身を引き締める。この繰り返しで旨味が回るという。

そして生ハム作りに何より欠かせないのは、豊かな四季。秋の霜、冬の降雪、春の風、夏の陽射し――。工房を吹き抜ける穏やかな風さえもが、生ハムに刻み込まれるのだ。

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2種類の生ハムを実食!

原木の可食部はわずか3kgという。皿の左側は36ヵ月、右側は24ヵ月熟成させたもの。ビールでカジュアルに楽しむのがおすすめだ。金子さんの生ハムは、スペイン料理店『セルベリア グランビア』(東京都港区赤坂6-4-1 シティマンション赤坂1F TEL/03-6277-8621)でいただける。秋田の自然風景に思いを馳せながら、こだわりの自家製生ハムを堪能しよう。

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