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2016.9.30

余計なものを加えない。素材の旨味を最大限に引き出す料理と純米酒の店

余計なものを加えない。素材の旨味を最大限に引き出す料理と純米酒の店

美味しい酒と肴を提供するための独自ルール

「1日1組の紹介制、非喫煙者限定、カウンター6席のみ」ーー。人を選ぶスタイルながら多くの人に愛される店が、ディープな食の街として知られる大阪・天満にある。『純米酒専門店 酒肴屋かわむら』だ。

純米酒に特化した専門店は、今やそれほど珍しいスタイルではない。しかしこの店を唯一無二の存在たらしめているのは、店主・川村道宏さんの突き抜けた個性によるところが大きいだろう。川村さんが決めた「1日1組限定の会員制」、「メニューはおまかせの懐石のみ」、「喫煙者は立ち入り禁止」というルールはもちろん、何より「他にはない美味しい純米酒と肴を提供する」ことに純化しているからだ。

 

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知識と経験で素材の味を引き出し、即興で美味しく仕立てる

まずは、素材の味を引き出す料理の数々を見てみよう。提供されるのは前菜から始まる魚と野菜を中心とした10品程度の懐石料理で、内容はその日によって変わる。

「決め打ちで仕入れはしません。毎朝市場に行って出会った良いものだけを買う。こちらの都合を自然の側に合わせているだけなんです」

10年間の水産会社勤務で培った食材の知識と経験が、ここで遺憾なく発揮される。

「例えば、ハモは夏が旬と言われているでしょ。でも本当は、卵も白子もなくて冬眠前に栄養を溜め込む秋が一番脂がのっているんです」

厳選した食材で作る料理は、天然の羅臼昆布とシビでひくだし以外は、基本的にすべてインスピレーションを大切にしたアドリブで作り出される。「料理人の最も大事な仕事は、つまるところ素材の旨味を最大限に引き出すことだと思います」

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子供のように“育てた”日本酒を銘柄を見せず提供

そして『かわむら』の肝である純米酒もまた、料理と同じように美味しさを引き出すことを徹底している。
「日本酒は瓶詰めされてから味が変化します。同じ銘柄でも、千本あれば千通りの味になる。だから子供と一緒で、きちんと手をかければいいだけ」
川村さんにとって日本酒は、保管や保存、熟成というより〝育てる〞という感覚に近い。そこで重視するのは、製造年月と味だけだという。「極端に言うと銘柄も酒米も一切興味がないし、覚えない。膨大な数の味の引き出しは頭に入っているので」

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一つひとつ保存期間を変え、最も美味しいタイミングまで育てる。それだけでも独特なやり方だが、提供スタイルが面白い。先入観を払拭するため、銘柄は見せずにグラスの種類や注ぎ方、ロック、追い水、ブレンドなど提供方法を変えて、料理に“合う”だけでなく相乗効果が生まれることを意識する。つまり、銘柄ではなく抜き身の感性だけで勝負しているのだ。
「開けたらすぐ飲めるけど、無限に奥が深い。そんな日本酒をもっと美味しく飲まれへんかな、って追求しているだけです」

建前も飾り気もない。あるのはシンプルな思いと、ここでしか飲めない純米酒のみ。その確かな味が、多くの人を魅了し続けている。

 

純米酒専門店 酒肴屋かわむら(じゅんまいしゅせんもんてん さかなやかわむら)

純米酒専門店 酒肴屋かわむら(じゅんまいしゅせんもんてん さかなやかわむら)

住所/大阪府大阪市北区天満2-12-7
06-6354-1168
営業/19:00~24:00(変更あり)
休み/予約が無い日

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