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2016.10.9

世界が注目!香港で浸透している日本の燗付け文化

世界が注目!香港で浸透している日本の燗付け文化

「日本から世界へ」ある燗付物語


2015年7月、香港にオープンしてすぐ、予約の取れない店として知られるようになった『GODENYA』。笑顔で迎えてくれた着物姿の店主、五嶋慎也さんが名乗るのは、「燗付け師」という耳慣れない肩書き。
「日本酒がもつ最大の特徴は、どんな料理にも合わせられること。ほかのお酒には無い利点です。温度も燗の付け方も料理に合わせる。酒と料理の旨味の極地を探し当てる面白さを、多くの人に知っていただきたいんです。そして日本酒を世界のスタンダードな食中酒として普及させたい」と語る。

料理同様、火の強さや入れ方で酒の味わいは大きく変わる。
「日本酒にはたくさんの成分が含まれているため、温度の入れ方によって味の変化が顕著に出ます」と五嶋さん。『GODENYA』では鍋にお湯を張り、燗を付ける。ゆっくり加熱する時の安定性と、火を強めると一気に加熱される熱伝導率の良さから銅鍋をセレクト。チロリにも熱伝導率の高い錫製を使う。
燗付けの最中は、中身を混ぜるようにチロリを適度にゆっくり揺らす。これは、空気に触れる部分を変えて香りや味わいを均等にするためだ。
「燗酒は一口目に飲んでいただきたい温度で提供しますが、時間が経つにつれて温度は当然下がっていきます。それでもなお美味しくなる、その変化も楽しめるような燗の付け方が理想ですね」

燗付けは温度を上げるスピードも大切だ。ゆっくり時間をかけてじわじわ温度を上げていく場合と、短い時間で素早く熱を加えて一気に温度を上げていく場合を比べると、燗酒の旨味や味わい、香りなどに決定的な違いがある。前者は生原酒、純米大吟醸、大吟醸が向いており、後者は、純米や生酛など味のしっかりしたタイプが向いている。
「温度が上がっていく段階によって匂いの変化があり、この香りが出てきたら味が出てきた、酸味が立ち過ぎた、といった酒の状態が分かる。味も同様で、味わいが様々な方向に動き始めたり、無かった味わいが出てきたりします」

燗に向く酒と、適した燗の付け方

燗酒には、旨味や酸味が多く、味のしっかりしたボディの 強い酒が向いており、香りを楽しみたい「大吟醸酒」や、フレッシュさを味わいたい「生酒」などは、燗付けするよりは常温や冷やの方が、持ち味を殺さず美味しくいただけるというのが一般論だが、五嶋さん曰く
「大吟醸でも、繊細な香りや味わいを活かす燗をすれば、熟したフルーツのような芳醇な味わいを演出できます」 とのこと。
燗酒は1°C 刻みで調整するが、ぐらぐらと熱湯にかけるわけではない。温度が高すぎると、もともとの酒が持つ味のバランスが崩れてしまう。「魅力を最大限に引き出すために大切なのは、そのお酒を知ること。お酒がもっとも輝く温度を見つけること」 なのだ。
また、日本酒の種類だけでなくアルコール度数にも注目を。度数が高いものは、ゆっくり温めるのがおすすめだ。

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GODENYA (ごでんや)

GODENYA (ごでんや)

住所/WELLINGTON STREET 182, (upper G/F), CENTRAL, HONG KONG
営業/19:00~23:00(最終入店 21:00)
休み/日・月曜

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