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2017.9.12

【ここぞという時に作りたい! 一流料理人のSECRET RECIPE】『寒鯖の煮付け』(日本料理 一凛)

【ここぞという時に作りたい! 一流料理人のSECRET RECIPE】『寒鯖の煮付け』(日本料理 一凛)

秋に獲れる鯖を「秋鯖」、冬に獲れる鯖を「寒鯖」と呼び、寒い季節ほど脂がのって美味とされている。また、漁場によっては「関サバ」、「首折れ」などのブランドが存在し、基本的には生食がタブーとされる魚だが、新鮮な個体は刺身で口にすることができ、それが良質さの指針ともなっている。というのも鯖は、息絶えてからすぐに腐敗が始まると言われており、傷みやすい魚であるからだ。そんな鯖を二日も寝かせ、充分に旨味を引き出した状態で作られた『日本料理 一凛』の寒鯖の煮付け。煮付けは煮詰めるほど身に味が染み込み、旨くなると思いがちだが、そんな通例を覆す手法を「日本料理 一凛」の橋本氏から学ぶ。

「煮付けは中火で常に一定温度になるようにするのが肝要です。調味料を加える時も一気に入れてはいけません。温度が下がらないよう少しずつ入れることで鯖に味が染み込み易い温度が保たれるのです」

 

『寒鯖の煮付け』(日本料理 一凛)

【材料】 2人分
鯖…2切れ
煮切り酒…80㏄
水…200㏄
上白糖…5g
濃口醤油…10㏄
煮切りみりん…5㏄
生姜…好みの量
山椒の葉…好みの量

1.あらかじめカルキ抜きのために沸騰させておいた水を使用し、中火で加熱。鍋底から気泡が出る70℃程度が適温である。
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2.余分な水分、臭みを抜く下処理が施された鯖の切り身を、さらに旨味を引き出すために1の鍋で湯通しし、すぐに引き上げる。
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3.別鍋に湯切りした切り身を丁寧に投入し、煮切り酒と水を加える。水加減は鯖の身が8 分程度浸かる程度。中火にかけ、沸いてくるのを待つ。_q9a1920

4.水が沸いてくると同時に灰汁が出てくるため、丁寧に取り除く。中火で水がふつふつと沸くのが重要なポイントで目を離すことがないように。_q9a1931

5.一度目の灰汁を丁寧に取り除いたら、砂糖を投入。すると、2度目の灰汁が出るのでさらに取り除く。この時点で鯖の旨味は煮汁に移っている。_q9a1936

6.ここから煮付ける工程。最終的に入れる醤油の量の三分の一ほどを煮汁の温度が急激に下がらないよう少しずつ、まんべんなく鍋に投入する。_q9a1944

7.少しずつ醤油を入れるが、煮汁がぐらぐらと煮立たないように十分に注意が必要。鯖の切り身の色に注意。熱は通っているが変色はしていない。_q9a1954

8.引き続き煮汁の温度に注力しながら、少し煮詰め、煮汁を鯖の切り身全体に少しずつゆっくりとかけていく。常に丁寧な作業が重要となる。_q9a1964

9.最後の分量の醤油を鍋に入れ、煮切りみりんを入れる。煮切りみりんが入ることで、旨味と甘み、醤油の味が一体化する。
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10.鍋から鯖の煮付けを丁寧に取り出し、器に盛りつけて完成。好みで千切りに切った針ショウガや山椒の葉を添えて寒鯖の煮付けの出来上がり。_q9a2007

【仕事の必需品】

『煮切りみりん』

アルコールを飛ばし糖度を高めた煮切りみりんは、橋本氏が頻繁に使用する調味料。ひと口に甘みと言えども、その度合いは調味料により異なる。

【達人の目利きポイント】

『寒鯖』

傷みが早い鯖として知られているが、良質な鯖は身も美しく、さらに2日間寝かせ、旨味を引き出している。また調理の際は常温に戻しておく。
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【料理人プロフィール】

日本料理 一凛』

橋本幹造

京都出身。駆け出しの料理人のころ、専門店
ごとに売場を持つ、築地市場のスケールの大
きさに銘を打たれ、東京出店を志す。自身の
店を構えるようになり10年。仕入れから調理
まですべてひとりでこなしてきた。

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